稗田阿求のサバゲー教室その2「装備と役割」
「さて、それじゃあ次はどんな物を使うか、どんな役割があるかなんかを簡単にご説明しましょうか」
「張り切ってるわねぇ」
「えっ、そうですか?」
「それで、使う物との事ですが、さっき見せてもらったエアーソフトガン(以下:トイガン)とやらではないのですか?」
「ええ、しかしあれにも種類があるのですよ」
「えーと、にとりさんが何か言っていたような……ライフルだとかマシンガンだとか」
「それは実銃の区分ですね。今回解説するのは、サバゲーで使うトイガンの区分です」
Q.サバゲーで使う銃ってどんなの?
「さて、トイガンの区分ですが、基本的に三種類あります。電動ガン、ガスガン、エアガンの三種類です」
「何が違うの?」
「動力が違います。まずは電動ガンですが、これは現在サバゲーで一番使われてますね」
「電動……電気を使うのですか?」
「バッテリーの電力でモーターを動かして連射出来るようにしたものですね。たくさん弾を撃てるのが利点です」
「幻想郷じゃ使い辛そうね」
「まあ、そうですね」
「で、お次は?」
「ガスガンはガスの圧力を利用して弾を発射する物です。具体的な原理の説明は避けますが、連射力や装弾数は電動ガンに劣ります」
「じゃあ電動の方が優れてるんですか?」
「うーん、単純にサバゲーで勝つならそうかもしれませんが、ハンドガンサイズだとガスが主流なので、持っている人は多いですよ」
「やっぱり、主力としては使えないって事?」
「いえいえ、最近は長物のガスガンも増えてます。動きが実銃に近いので、実利より雰囲気を取る人達には人気ですよ」
「まあ、遊びですからねぇ。楽しさ優先ってのもありですね」
「リコイル(反動)を感じられるので撃ってる実感が沸いていいですよ〜」
「で、最後がエアガン?」
「はい、エアガンは内部のポンプに空気を送り、バネで圧縮して、その圧力で撃ち出す機構を持ってます。この動作は手動ですので、連射が出来ません」
「なんかどんどん使い辛くなってくるわね……」
「確かに、正面で撃ち合うと圧倒的に不利ですね。ですが、三種類の中では一番音が静かなので、隠れて狙撃するのには最適です」
「おや、そうなんですか?」
「それに、内部に構造が単純なので、軽くて安い物が多いのが特徴です」
「それはいいわね」
「まあ、それぞれ長所短所がありますね。分かり易く表にしてみましょう」
長所 | 短所 | |
電動ガン | 装弾数が多い 気温の影響を受けにくい 一回充電すれば数千発受ける(バッテリーによる) |
充電に時間が掛る 本体価格が高い |
ガスガン | リアルな動作が楽しめる 電動ガンに比べて本体価格が安い物が多い |
寒さに弱い 装弾数が電動に比べて少ない マガジンが重い |
エアガン | 機構が単純なため、故障が少ない 基本的に本体価格が安い |
一発ずつしか撃てない 銃の種類が少ない |
「概ね、こんな感じでしょうか」
「うーん、なるほど。たしかに一長一短」
「事前にバッテリーなどをしっかり用意できるなら、電動が一番ですけどね」
「でも、安くて軽いのもいいわね」
「私はバンバン撃てた方がいいですねー」
「とまあ、この様に人によって銃に求める物が違いますので、どれが絶対いいと言う事はありません。自分に合った物を選びましょう」
Q,サバゲの役割分担とは?
「では、次は役割分担。プレイスタイルについてお話ましょう」
「プレイスタイル?」
「全員が正面から突撃するのではなく、各自適正に合った戦い方をした方が勝ちやすくなりますこれは、銃選びにも密接に関係してきますよ」
「文や魔理沙は何にも考えず突っ込むからね」
「む、魔理沙さんほど無鉄砲じゃありませんよ」
「まあまあ……。話を戻しますね」
「あ、はい」
「プレイスタイルの区分も厳格には決まってませんが、今回は香霖堂で見つけたこの本を参考にしましょう」
「あーむずまがじん?」
「外の雑誌ですよ。ええっと、これの区分だとアタッカー、ライフルマン、スナイパー、ガンナーとありますね」
「うーん……ピンとこないわね」
「あはは、ちゃんと解説しますよ」
「お願いするわ」
「まず、アタッカー。これは分かりやすいですね、相手のフラッグを狙って前進する突撃役です。動きやすいように軽くて連射も出来る銃が選ばれます」
「切り込み隊長ですか、いいですねっ」
「やっぱ魔理沙と変わらないじゃない」
「でも、文さん向きだと思いますよ。瞬発力とかが大事ですから」
「速さなら任せてくださいっ!」
「次にライフルマンですね。突撃するアタッカーを援護したり、敵を引きつけたり、必要なら守りに回ったりするので、汎用性が求められます」
「何でも屋ね」
「そうですね。選ぶ銃も、移動の邪魔にならず、火力がそこそこあり、命中精度もそれなり、というオールマイティな銃が選ばれます」
「これは霊夢さんに向いてるんじゃないですか?」
「そう?」
「なんだかんだで、あっちこっちから頼られるのが霊夢さんですからね」
「お次はスナイパーです。正面からは戦わず、物陰などから高精度の銃で相手を狙い撃ちます」
「これは阿求かしらね」
「はい、私は文さんの速度にはついて行けそうにありませんからね。遠くから援護です。このポジションだと、エアガンが活躍できますが霊夢さんもいかがですか?」
「うーん、退屈そうね」
「まあ、見つかると不利ですから、派手な撃ち合いとかはないですね……。基本は待ちのポジションですし」
「めんどくさがりの癖に、退屈は嫌うんですよねぇ」
「うっさいわね」
「えーっと、最後はガンナー。これは機動性はあまり求められません。大量に弾をばら撒ける銃で自陣の防衛をしたり、逆に相手陣地に制圧射撃を行ったりします」
「アリスさんやパチュリーさんみたいな、魔法使いタイプに向いてそうですね」
「動き鈍そうだものね」
「アリスさんはそんなでもないと思いますけどね……」
「以上、銃とスタイル解説が終わりました。使ってみたい銃のためにスタイルを選ぶか、銃のためにスタイルを選ぶかはその人次第ですね」
「私はもうアタッカーで!突撃して蹴散らして上げますよ!」
「私は良く分からないけど、とりあえず無難にライフルマンかしらね」
「ところで、大体分かりましたけど、どこで誰とやるんですか?幻想郷でサバゲーの事を知っているのは極僅かだと思うのですが」
「ああ、その事ですか。今度フィールドにお連れしますよ」
「えっ、そんなものあったかしら?どこにあるの?」
「ふふふ、それは行ってのお楽しみです」
「不安(です)ね……」